少額短期保険(ミニ保険)とは?メリットや一般の保険との違いを解説


保険にはさまざまな種類がありますが、その中でも保険期間が短く、保険金の限度額も少なく設計されている「少額短期保険」というものがあります。少額短期保険は、保険料が比較的低めに抑えられており、ペットの病気やケガのリスク、葬儀費用といった一般的な保険会社ではあまり扱われないリスクに備えられるといったメリットが特徴です。
ここでは、少額短期保険の特徴やメリット・デメリットについて解説しますので、保険選びの参考にしてください。
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
少額短期保険(ミニ保険)とは?
少額短期保険とは、一般的な生命保険や損害保険に比べて、保険金が少額かつ保険期間が短期の保険のことで、「ミニ保険」とも呼ばれます。少額短期保険を取り扱えるのは、一定の事業規模の範囲内で少額短期保険のみを引き受ける少額短期保険業者だけで、一般の保険会社とは区別されています。
少額短期保険は、生命保険のほか損害保険もあり、ペット保険や葬儀保険、スマホ保険など、ニッチなリスクに備えられる商品もあります。保険金が少額かつ保険期間が短期であることから、一般的な保険よりも保険料が低めに抑えられており、インターネットで手軽に申込み手続きができる商品も多くなっているため、申込みやすい保険といえるでしょう。
少額短期保険で扱える保険期間や保険金の上限、少額短期保険を取り扱える会社と一般的な保険会社との違いは以下のとおりです。
保険期間
保険期間は、生命保険・医療保険は1年以内、損害保険は2年以内です。継続したい場合は所定の更新限度まで更新できるものもあります。
■少額短期保険の種類と保険期間
保険の種類 |
保険期間 |
生命保険・医療保険(傷害疾病保険) |
1年以内 |
損害保険 |
2年以内 |
保険金の上限
少額短期保険業者が引き受けられる保険金額は上限があり、1被保険者につき1,000万円以内です。また、保険種類ごとに上限が定められており、以下のようになっています。
■少額短期保険で扱える保険種類と上限
保険種類 |
保険金の上限 |
死亡保険 |
300万円以下 |
医療保険(傷害疾病保険) |
80万円以下 |
疾病等を原因とする重度障害保険 |
300万円以下 |
傷害を原因とする特定重度障害保険(注1) |
600万円以下 |
傷害死亡保険 |
300万円以下(調整規定付き傷害死亡保険の場合は、600万円) |
損害保険 |
1,000万円以下 |
低発生率保険(注2) |
1,000万円以下 |
注1:死亡保険、傷害死亡保険または重度障害保険が同時に付保されている場合には、特定重度障害保険の支払額から死亡保険、傷害死亡保険または重度障害保険の支払額を減額されるものに限ります。
注2:低発生率保険とは、損害保険のうち、特に保険事故の発生率が低いと見込まれるものであり、個人の日常生活に伴う損害賠償責任を対象とする保険(自動車の運行に係るものを除く)をいいます。
※e-Gov「少額短期保険業に係る保険の保険金額」を参考に第一生命が作成。
少額短期保険業者と保険会社の違い
少額短期保険を取り扱えるのは、少額短期保険業者だけで、一般の保険会社では取り扱うことができません。少額短期保険業者とは、一定の事業規模の範囲内で少額短期保険のみを引き受ける業者のことです。
ただし、保険会社が少額短期保険業を営む子会社を設立し、その子会社を通じて少額短期保険を取り扱うことが認められており、このような形態が見られる場合もあります。
少額短期保険業者と一般の保険会社との違いは以下のとおりです。
■少額短期保険業者と保険会社の違い
少額短期保険業者 |
保険会社 |
|
参入要件 |
事前登録制(本店等の所在地を管轄する財務局において監督) |
免許制(金融庁において監督) |
最低資本金等 |
・1,000万円 |
10億円 |
取扱商品 |
・生命保険、損害保険、両商品の取扱可能 |
・生損保兼営禁止 |
保険期間の上限 |
あり |
なし |
保険金額の上限 |
あり |
なし |
保険運用の制限 |
・掛け捨て型に限定 |
制限なし |
契約者保護の措置 |
セーフティネットなし、代わりに保証金の供託を義務付け |
保険契約者保護機構によるセーフティネットあり |
※近畿財務局「少額短期保険業について」、金融庁「【金融便利帳】少額短期保険業」を参考に第一生命が作成。
生命保険の種類については、以下の記事もご参照ください。
少額短期保険のメリット
一般的な生命保険や損害保険と比較して、少額短期保険にはいくつかのメリットがあります。少額短期保険に加入する具体的なメリットについてまとめました。
保険料を抑えつつリスクに備えられる
少額短期保険は、一般的な生命保険や損害保険より保険料がお手頃です。例えば、死亡保険の商品の中には、35歳女性で保険金額が100万円であれば保険料が月額数百円台から加入できるものがあり、保険料を抑えつつリスクに備えることができます。ただし、年齢や性別、保険期間などによって保険料は大きく変わることや、保険料が少ない分、保険金額が少額になる点に注意が必要です。
ニッチなリスクに対応できる
代表的な少額短期保険にペット保険がありますが、ほかにも特定のニーズに対象を絞った保険商品が数多く登場しています。保険料は多くの少額短期保険が、月額数百円~数千円程度です。
<少額短期保険の例>
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ペット保険
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葬儀保険
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スマホ保険
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弁護士保険
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キャンセル保険
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いじめ保険
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レスキュー費用保険
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家事代行費用保険
加入している保険では足りないリスクに備えられる
現在、加入している保険ではカバーできない部分に備えたい場合や、特定の部分だけ保障(補償)を厚めにしたい場合に少額短期保険を活用できます。
例えば、「特に糖尿病に備えたいから、加入している医療保険に加えて糖尿病保険に加入する」「子どもが小学校に入るまでのあいだだけ、医療保険に加入して保障を手厚くする」といった場合です。
少額短期保険のデメリット
少額短期保険には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。少額短期保険を選ぶ際に、踏まえておくといいでしょう。
保障(補償)範囲や期間が限定され、保険金額が十分ではない場合がある
少額短期保険は保険期間が短めに限定されており、保険金額も上限があります。そのため、場合によっては保険金が受け取れなかったり、保険金は受け取ったものの、金額が十分でなかったりということがありえます。
備えたいリスクや求める保障(補償)によっては、少額短期保険より一般的な生命保険や損害保険のほうが適している場合があるので、保険を選ぶ際には注意が必要です。
生命保険料控除の対象にならない
少額短期保険に払い込んだ保険料は、生命保険料控除の対象になりません。
一般的な生命保険の場合、所得税に関する生命保険料控除を受けることができます。これは、払い込んだ保険料のうち新制度の場合は年間12万円、住民税は年間7万円を上限として、課税所得の計算の際に一定額を控除できるというものです。
少額短期保険は対象外のため、課税所得から控除することはできません。
生命保険料の控除については、以下の記事をご参照ください。
生命保険料の控除とは?控除額や軽減される税金の計算方法も解説
保険会社が破綻した場合の契約者保護の仕組みが異なる
一般的な生命保険や損害保険を提供している保険会社は、保険契約者保護機構制度によって、生命保険契約者保護機構や損害保険契約者保護機構への加入が義務付けられています。保険会社が破綻した際は、各機構が保険契約の移転や保険金の支払いを援助することで、契約者を守る仕組みになっています。
しかし、少額短期保険はこの制度の対象外なので、もしも保険業者が破綻した場合は保障(補償)が受けられません。ただし、契約者を守る仕組みがないわけではなく、供託金積立制度などで契約者の保護が図られています。
少額短期保険では扱えない保険がある
少額短期保険には、医療保険や火災保険といったメジャーなものから、葬儀保険といったニッチな需要に応えたものまで、さまざまな商品があります。しかし、保険期間に制限があることから、長期間の契約を前提とする保険の取り扱いがありません。
<少額短期保険では取り扱いがない保険商品の例>
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保険金が定期的に支払われ、その期間が1年以上になる保険(収入保障保険など)
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人の生存を条件として保険金が支払われる保険(個人年金保険など)
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満期になったときに、満期保険金や解約返還金(解約返戻金)が受け取れる保険(学資保険や養老保険など)
-
保険料の運用実績によって保険金が変動する保険(変額保険など)
-
保険料や保険金などが外貨で扱われる保険(外貨建て保険など)
収入保障保険については、以下の記事をご参照ください。
個人年金保険については、以下の記事をご参照ください。
個人年金保険とは?メリット・デメリットや種類をわかりやすく解説
学資保険については、以下の記事をご参照ください。
学資保険とは?メリット・デメリットや必要性をわかりやすく解説
変額保険については、以下の記事をご参照ください。
変額保険とは?やめたほうがいい?メリット・デメリットを詳しく解説
少額短期保険の種類
少額短期保険はニッチなリスクに対応できるメリットがあるほか、生命保険や損害保険など一般の保険会社で取り扱うような保険など、さまざまな保険商品が登場しています。ここでは、主な保険を6つ、紹介します。
死亡保険
死亡保険とは、被保険者が死亡したとき(※)に、保険金を受け取れるタイプの生命保険のことです。少額短期保険の場合、保険金額は最大でも300万円と、保険会社の死亡保険よりも少なめです。
なお、葬儀費用に備えるための葬儀保険も、死亡保険の一種といえます。
※保険商品によっては、規定する「高度障害状態」に該当した場合、死亡保険金の代わりに「高度障害保険金」を受け取れるタイプもあります。
医療保険・がん保険
医療保険は、通院や入院、手術をする場合などに保険金が受け取れる保険商品のことです。がん保険は、がんを理由とした通院や入院、手術などで保険金が受け取れます。
少額短期保険の場合、入院給付金などが受け取れる商品もありますが、保険期間は1年で、更新の際の区分により保険料が変動します。
家財保険
家財保険とは、家財(家具や家電、衣類など)が火災によって損害を被った場合に保険金が受け取れる損害保険のことです。
家財保険の中には、火災のほか、盗難や水災などによる被害も対象としている保険があります。少額短期保険の家財保険は、主に賃貸住宅で加入をすすめられるケースが多くみられます。
自転車保険
自転車保険とは、自転車による事故で自分がケガをした場合の通院費や入院費のほか、死亡や重度障害状態になった場合に保険金が受け取れます。このほか、他人にケガを負わせてしまったり、他人の所有物を壊してしまったりした場合を補償します。
ペット保険
ペット保険は、ペットが病気やケガで通院や入院、手術などをしたときに治療費の負担を軽減してくれる保険です。
ペットには、人と違って公的医療保険制度はありません。そのため動物病院で診察を受ける場合、費用はすべて自己負担となります。ペット保険では、ペットの年齢や種類によって保険料が異なり、入院や手術などの際に、所定の費用を補償します。
スマホ保険
スマホ保険は、スマートフォンなどのモバイル機器を対象に、破損や水濡れなどでの修理費を補償する損害保険のことです。スマートフォンに限らず、タブレット端末やノートパソコン、モバイルルーターも対象になる保険もあります。モバイル端末を常に携帯している人にとって安心の保険といえるでしょう。
リスクにどう備えたらいいかわからない場合は保険会社に相談しよう
少額短期保険と一般的な生命保険や損害保険は、どちらがいいというものではありません。
適した保険は、備えたいリスクや期間、どんな保障(補償)を求めるのかによって変わるので、それぞれの保険の特徴を理解したうえで、ニーズに合ったものを選ぶことが大切です。場合によっては少額短期保険ではなく、一般的な生命保険や損害保険のほうが合っている場合もあります。
自分に合った保険がわからない場合は、まずは保険会社やFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談してみるのがおすすめです。相談することで、どのようなリスクに備えたいのか、どれぐらいの保障(補償)が必要かなども明確になります。保険選びに迷ったら、ぜひ一度相談してみてください。
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よくある質問
少額短期保険とはどのような保険ですか?
少額短期保険とは、一般的な生命保険や損害保険に比べて、保険金が少額かつ保険期間が短期の保険のことで、「ミニ保険」とも呼ばれます。生命保険のほか損害保険もあり、ペット保険や葬儀保険、スマホ保険など、ニッチなリスクに備えられる商品もあるのが特徴です。
少額短期保険については、以下の項目をご参照ください。
少額短期保険の保険金はいくらまでですか?
少額短期保険の保険金は上限があり、1被保険者につき1,000万円以内です。また、保険の種類ごとに上限が定められており、例えば死亡保険は300万円以下、傷害疾病保険は80万円以下となっています。
少額短期保険の保険金については、以下の項目をご参照ください。
少額短期保険の保険期間は何年までですか?
少額短期保険の保険期間は、生命保険・医療保険は1年以内、損害保険は2年以内です。継続したい場合は所定の更新限度まで更新できるものもあります。
少額短期保険の保険期間については、以下の項目をご参照ください。
森島静香
FPサテライト株式会社所属。京都出身、大阪在住。人材紹介会社勤務。キャリアカウンセラーとして顧客の転職活動を支援中。中立の立場で顧客の相談にのる中で、お金に関するより専門的な知識を身につけたいと考え、FP資格を取得。プライベートでも2児の母として、育児を経験しており、顧客目線でわかりやすい情報を届けるFPを心掛けている。
所有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、TOEIC 925点
※この記事はほけんの第一歩編集部が上記監修者のもと、制作したものです。
※記事中で言及している保険や少額短期保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※税務の取り扱いについては、2024年11月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、税理士や所轄の税務署等にご確認ください。
(登)C24N0152(2024.12.23)
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