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がん保険のおすすめは?年代別の選び方をFPが解説

がん保険のおすすめは?年代別の選び方をFPが解説
がん保険のおすすめは?年代別の選び方をFPが解説

がん保険は、がんに備えるための保険です。男性・女性ともに生涯でがんに罹患する確率は50%以上と、2人に1人はがんに罹患するといわれています(公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計 2024」。なお、がんの罹患率は年代別に異なります。詳しくは「がんの統計 2024」の「累積がん罹患・死亡リスク」をご参照ください)。
そのため、がんへの備えとして、がん保険への加入を検討する人が増えています。しかし、一口にがん保険といっても保障内容はさまざまで、年代によっても適した生命保険が異なるため、どのように選べばよいか迷ってしまうのではないでしょうか。

ここでは、がん保険の特徴やがん保険が必要な理由を踏まえつつ、年代別でおすすめのがん保険について解説します。

※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。

目次

がん保険とはがんの保障に特化した保険

がん保険とは、がんに罹患した場合の保障に特化した保険です。がんと診断された場合に一時金を受け取れたり、がんの治療に伴う通院や手術について給付金を受け取れたりするのが特徴です(※)。

※責任開始期以後、保険期間中に悪性新生物と診断確定された場合であっても、責任開始期の属する日からその日を含めて90日以内に悪性新生物と診断確定された場合には支払の対象とならないと約款で定められている場合があります。がん保険の加入を検討する際には、このような支払の対象とならない場合についても確認するようにしましょう。

このほか、がん保険の給付金の種類や保険料、保険期間の特徴は以下のとおりです。

がん保険の給付金の種類

がん保険では、がんと診断されたときに受け取れる「がん診断給付金(一時金)」のほか、「がん通院給付金」や「がん放射線治療給付金」などがあります。保険商品によってさまざまな給付金があるため、加入を検討する際によく確認することが大切です。

■がん保険の主な給付金の種類

給付金の種類

概要

がん診断給付金(一時金)

・がんと診断されたときに受け取れる給付金

・保険期間を通じて1回のみ受け取れるタイプと複数回受け取れるタイプがある

がん通院給付金

・がん治療を目的に通院した際に受け取れる給付金

・通院1日につき5,000円〜1万円を受け取れるという内容が多い

がん入院給付金

・がんの治療を直接の目的として入院したときに受け取れる給付金

・入院給付金の支払日数は無制限、入院1日につき5,000円〜1万円を受け取れるという内容が多い

がん放射線治療給付金

・がんで所定の放射線治療を受けたときに受け取れる給付金

・がん入院給付金日額の102040倍などとされることが多い

抗がん剤治療給付金

・所定の抗がん剤治療などを受けた場合に受け取れる給付金

がん手術治療給付金

・がんで所定の手術を受けたときに、受け取れる給付金

・がん入院給付金日額の102040倍などとされることが多い

がん先進医療給付金

・がん治療で先進医療を受けたときに受け取れる給付金

・自己負担した技術料について、契約の上限内で実費が受け取れるという内容が多い

がん死亡給付金

・がんを原因として死亡した場合に受け取れる給付金

・がん入院給付金日額の100倍などとされることが多い

がん保険の保険料

がん保険の保険料は、一般的な医療保険と比べると、保険料が抑えられるという特徴があります。一般的な医療保険はさまざまな病気を保障の対象としているのに対して、がん保険の場合はがんに限定しているためです。がん保険の中には、一般的な医療保険に特約として付加できるタイプもあり、単独で加入するがん保険よりも保険料を抑えられる場合があります。

がん保険の保険期間

がん保険の保険期間には、定期型と終身型があります。
定期型はさらに「10年満了」のように年数で設定する「年満期」タイプと、「60歳満期」のように年齢で設定する「歳満期」タイプに分かれます。一方で終身型とは、保険期間が一生涯続くタイプのことです。終身型の場合、保険料の支払い方に選択肢が設けられており、一定期間または一定年齢まで所定の保険料を払い込む「有期払」と、一生涯払い続ける「終身払」があります。

がん保険が必要な理由

ここまで、がん保険の種類や保険料などについて紹介してきましたが、では、なぜ今、がん保険が必要なのでしょうか。がん保険が必要な理由について以下に3つ解説します。

がん保険の必要性については、以下の記事もご参照ください。

がんに罹患するリスクに備える

がん保険が必要な理由は、がんに罹患するリスクに備えることができるためです。
厚生労働省の「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、がんは日本人の死因第1位です。また、公益財団法人がん研究振興財団の「がんの統計 2024」によると、男性・女性ともに生涯でがんに罹患する確率は50%以上(男性65.5%、女性51.2%)となっています。2人に1人は、生涯でがんに罹患するかもしれないという計算です。
また、公益財団法人 生命保険文化センターの調査によると、がん保険(全生保※)の加入率は2013年では37.3%でしたが、2022年では41.9%と増えています。誰でもがんに罹患する可能性があることから、がん保険に加入して備えておこうと考える人が増えているといえます。

※全生保:民間の生命保険会社、県民共済・生協など、JA、簡保、2010年以降はかんぽ生命を含む

■年齢別がん罹患率(2019年罹患・死亡データに基づく)

年齢別がん罹患率(2019年罹患・死亡データに基づく)

※公益財団法人 がん研究振興財団の「がんの統計 2024 」をもとに作成

長引く通院に備える

がん保険が必要な理由は、がんにより長引く通院に備えることができるためです。
厚生労働省の「患者調査の概況」によると、がんによる入院よりも外来のほうが増えている現状があります。この背景には、治療技術の進歩により、手術療法ではなく放射線療法や抗がん剤治療など入院を伴わない治療を行うケースの増加があるようです。長引く通院に備えるために、入院日数に左右されず治療の有無で給付される、がん保険への加入の検討をおすすめします。

■がん(悪性新生物)の受療率(人口10万人あたり)

がん(悪性新生物)の受療率(人口10万人あたり)

※厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況   」2020年6月30日をもとに作成

先進医療による治療に備える

がん保険が必要な理由は、先進医療による治療に備えることができるためです。先進医療とは、厚生労働大臣に承認された高度な医療技術を用いた治療のことで、その対象となる疾病・症状(適応症)や実施医療機関は限定されています。そのため、がんに罹患した場合の病状によりますが、先進医療が治療の選択肢のひとつとして用いられることがあります。そして、先進医療の技術料は、一部を除き公的医療保険の対象外であり、全額が自己負担です。月々の医療費を一定額以下に抑えることができる「高額療養費制度」も先進医療にかかる部分は対象外となっています。

例えば、先進医療の中でも、陽子線治療の1件あたりの平均額は約265万円です(厚生労働省「令和5年6月30日時点における先進医療に係る費用」より算出)。陽子線治療は、がん細胞に放射線を照射して直接ダメージを与える治療方法で、2023年度の実施件数は824件でした。
最終的な治療方法は患者と医師が相談のうえで決定することになりますが、がんに罹患したときにこうした先進医療も検討する場合、まとまった一時金を受け取れるがん保険が役立ちます。治療の選択肢を狭めてしまわないためにも、がん保険に加入しておいたほうが良いといえるでしょう。

先進医療については、以下の記事をご参照ください。

【年代別】おすすめのがん保険

おすすめのがん保険は、年齢やライフスタイルの変化によって異なります。ここでは、20代、30代、40代という年代別でがん保険の選び方を解説します。

20代におすすめのがん保険

20代で年収が少ないうちは、保険料の負担をなるべく抑えるため、がん保険の保障は必要最低限でよいと考えられます。また、20代はまだ独身のケースが多いことを鑑みても、家族を経済的に支える必要がないため、がん保険は治療費と自身の生活費に備えることができる範囲の保障で十分といえます。その場合の選択肢は、がん診断給付金(一時金)のみの保障にするなど、保障の種類を限定したプランが選択肢となるでしょう。
一般的にがん保険は、年齢が上がるにつれて保険料が高くなります。そのため、同じ保障内容であれば20代という若いうちからがん保険に加入することで、保険料を抑えながらがんに備えることが可能です。

30代におすすめのがん保険

30代の場合、結婚や出産で家族が増えれば経済的な責任も大きくなります。家族のためにも、がんによって就業が難しくなった場合の収入減少に備える必要が出てきます。がん保険のがん診断給付金(一時金)やがん通院給付金、がんの各種治療給付金のほか、収入をサポートするプランがある保険などが選択肢となります。もしもの場合の収入減をサポートする保険には、がん保険に加えて、就業不能保険を選択肢に含めても良いでしょう。

30代でも独身の場合、家族を経済に支える必要がないため、20代のように必要最低限の保障で十分といえます。
なお、公益財団法人 がん研究振興財団の「がんの統計 2024」によると、女性の場合、30代後半から乳がんに罹患する割合が増えます。がんと診断されてしまうと入れる保険も限られてしまうため、健康なうちにがん保険の加入について検討しておくことが大切です。

40代におすすめのがん保険

がんのリスクが高まるとされる40代以降は、がん保険が30代以上に必要になってくる時期です。公益財団法人 がん研究振興財団の「がんの統計 2024」のデータを見ると、40代からがん罹患率が増加し、50代以降でさらに急増することがわかります。つまり、年齢を追うごとにがんと診断される確率は増加するのです。そのため、診断給付金はもちろん、通院給付金や治療給付金などのベースの保障に加え、先進医療や女性特有の疾病に備えるために特約の付帯も検討しましょう。

■年齢階級別がん罹患率推移(全がん)

年齢階級別がん罹患率推移(全がん)

※公益財団法人 がん研究振興財団の「がんの統計 2024」のグラフをもとに作成

おすすめのがん保険は年代により異なる

2人に1人ががんに罹患する時代といわれるなか、特に年齢を重ねるごとにがんと診断される確率は増加します。また、年代によってライフスタイルも変わってくるため、年代ごとにおすすめのがん保険の保障内容は異なります。
例えば20代であれば、がん診断給付金(一時金)のみのプランにするなど必要最低限の保障で備えながら、保険料を抑えることが可能です。一方で家族が増えたり、がんに罹患する確率が増えたりする30代から40代以降は、がん診断給付金(一時金)に加えて、がん通院給付金やがんの各種治療給付金のほか、先進医療に備えるための保険を検討すると良いでしょう。
もし、がん保険の選び方に迷う場合は、保険会社やFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談することをおすすめします。

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監修

辻󠄀田 陽子
FPサテライト株式会社所属。税理士事務所、金融機関での経験を経て、「好きなときに好きなことをする」ため房総半島へ移住。移住相談を受けるうちに、それぞれのライフイベントでのお金の不安や悩みがあることを知り、人々がより豊かで自由な人生を送る手助けがしたいと思いFP資格を取得、FPとして活動を始める。現在は地方で移住相談や空き家問題に取り組みながら、FPの目線からやりたいことをやる人々を応援中。
所有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種、日商簿記2級

※この記事はほけんの第一歩編集部が上記監修者のもと、制作したものです。
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。

(登)C24N0102(2024.9.6)

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