女性保険はどんな人におすすめ?一般的な医療保険との違いをチェック
生命保険の基礎知識
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
民間の保険会社が提供する保険の中には、「医療保険」「終身保険」「学資保険」など、さまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。保険への加入を検討するときは、それがどんなリスクに備えるための保険であるのかを知っておく必要があるでしょう。
ここでは、一般的に女性保険とも呼ばれる女性向け医療保険について、具体的な保障の内容や選び方についてご説明します。
女性向け医療保険とは?
女性向け医療保険とは、医療保険の一種で、特に女性がかかりやすい病気について手厚い保障が受けられる保険を指します。一般的に「女性保険」と呼ばれることもあります。
また、ここでいう医療保険とは、民間の保険会社が提供している保険商品のことで、病気・ケガで入院や手術をしたときに給付金が受け取れる商品になります。治療にかかる費用に備えるだけでなく、保障内容によっては病気やケガで働けなくなってしまった際の収入減をカバーしたり、入院準備の費用といった医療費以外の支出の増加に備えたりすることもできます。
女性向け医療保険は、こうした医療保険の特徴に加えて女性ならではのリスクに備えられる保険です。まずは詳しく女性向け医療保険の特徴を見ていきましょう。
一般的な医療保険と女性向け医療保険の違い
女性向け医療保険は、女性ならではのリスクにも備えられる保険です。性別を問わない病気に対する保障もありながら、女性特有の病気などに対してはより手厚い保障が受けられるといった内容の商品が多くなっています。この場合は、女性がかかりやすい病気のみを保障するものではなく、性別に関係のない病気やケガで入院した場合であっても、給付金を受け取れます。
一般的な医療保険との違いは、女性特有の疾病への保障を充実させている点です。一般的な医療保険では病気やケガによる入院・手術に対しての保障が受けられます。一方、女性向け医療保険では、女性がかかりやすい病気などが原因で入院・手術をすると、それ以外の場合よりも上乗せされた給付金が受け取ることができるのです。
また、がんや三大疾病などについても、女性特有の病気と同様に給付金が上乗せされるタイプの女性向け医療保険もあります。
なお、女性向け医療保険には、主契約になるものと、一般的な医療保険に特約としてつけるものがあります。特約の場合は「女性疾病特約」などとも呼ばれ、一般的な医療保険に特約としてつけることで、女性特有の疾病への保障を手厚くすることが可能です。
女性向け医療保険で受け取れる給付金
女性向け医療保険で受け取れる給付金も、基本的な仕組みは一般的な医療保険と同様です。
入院や手術1回あたりいくらといった形で一時金が支払われるタイプのものと、入院日数に応じて給付金が支払われるタイプのものがあり、両者を組み合わせた保険もあります。
女性向け医療保険で手厚く保障される病気
女性向け医療保険で手厚く保障される病気について、どのようなものが含まれるのか、例をご紹介します。
女性特有の病気と女性に多い病気
子宮筋腫、子宮頸がんのほか、妊娠や分娩などの際の合併症といった病気は、女性特有の病気です。また、乳がんは男性でもかかるのですが、患者数は女性が多いため、女性に多い病気といえます。このほかにも、鉄欠乏性貧血や関節リウマチなど、女性に多いといわれる病気が手厚い保障の対象になる場合もあります。
女性向け医療保険では、一般的な病気だけでなく異常分娩(子宮外妊娠や帝王切開など)といった、妊娠・出産に関する治療についても手厚い保障が受けられる場合があります。
一般的に病気のリスクは年齢が高くなるほど上がっていく傾向にありますが、女性の場合は、比較的若い年代が対象となる妊娠・出産のリスクに備えることも大切です。妊娠出産のリスクとは異常分娩が対象で、正常分娩による出産の場合は女性向け医療保険の対象にはなりません。
がん
女性向け医療保険の中には、乳がんといった女性に多いがんだけでなく、胃がんや肺がんなど、さまざまながんについて一般的な医療保険よりも手厚い保障を受けられるものもあります。
また、がんに急性心筋梗塞と脳卒中を加えた「三大疾病」すべてについて保障を上乗せする女性保険もあります。
なお、「女性保険」や「女性プラン」「女性専用保険」といった名称を使っていたとしても、それぞれの具体的な内容は異なります。希望する保障範囲をカバーしているかどうか、チェックしておきましょう。
女性向け医療保険と一般的な医療保険はどっちを選ぶべき?
女性向け医療保険は一般的に、性別を問わない病気やケガに対する保障を備えながら、女性特有の病気に対する保障を手厚くしたものです。
もし、一般的な医療保険の保障内容を女性向け医療保険の女性特有の病気に対する保障と同じくらいにした場合、対象となる病気やケガの範囲が広いため、一般的な医療保険の保険料が割高になってしまいます。女性特有のリスクのみに備えたいのであれば、女性向け医療保険で女性特有の病気のみを手厚くカバーしたほうが効率的だといえるでしょう。
リスクに対してどのような備えをどこまで用意すべきかを考えて選択するようにしましょう。
女性向け医療保険を選ぶときのチェックポイント
女性向け医療保険にもさまざまな種類があります。自分の希望に適した保険を選択するために、確認しておきたいチェックポイントについてまとめました。
給付金額はどれくらいか
一般的な病気にかかった場合に受け取れる給付金額と、女性特有の病気などにかかった場合に上乗せされる給付金額の、両方をチェックしておくことをおすすめします。
給付される金額とその条件のほか、給付される回数の制限についても確認しましょう。契約中、何回でも支払われるタイプや、通算50回までといった回数上限があるタイプなど、さまざまなタイプがあります。
保障の対象はどこまでか
女性向け医療保険は、指定された疾病に関する保障が手厚くなる保険ですから、保障範囲が広いほど多くの病気やそれに対する治療をカバーできるようになります。
主なポイントとして、女性の患者が多いといわれる鉄欠乏性貧血や関節リウマチなど、カバー対象となる疾病の幅広さや、乳がんの治療費だけでなく乳がんで乳房を切除した場合の乳房再建手術が保障されるかといった同じ疾病に対する保障内容の充実度合など、保障範囲の詳細をチェックすることをおすすめします。
給付タイプは何か
女性向け医療保険の給付金には、「入院や手術1回あたり◯万円」というタイプや「入院1日あたり◯◯円」といったタイプがあります。また、対象となる病気と診断された場合に、まとまった額を「一時金」として支払われるタイプもあります。日数に対して給付が受けられるタイプの場合は、給付開始が入院何日目からで、上限は何日までなのかも確認しておくと安心です。
しかし、近年は入院日数が短くなる傾向があります(厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」より)。短期の入院で治療が終了した場合、入院日数ではなく一時金タイプのほうが受け取れる金額が多くなる可能性が高くなります。
どんな特約がつけられるのか
女性向け医療保険の中には、一般的な医療保険と同じく「先進医療特約」や「がん通院特約」「がん診断給付金(一時金)特約」といった、さまざまな特約をつけられるものがあります。特約を利用すれば、さらに手厚い保障を確保することが可能です。
具体的な特約の内容は保険によって異なるため、どんな特約をつけられるのか確認しておきましょう。
妊娠中や帝王切開経験のある女性は申し込めるか
女性向け医療保険は、帝王切開や子宮外妊娠といった、妊娠・出産にかかる治療もカバーできる保険です。これは、現在妊娠中ではない女性にとって、将来に備えられるメリットだといえるでしょう。
一方、妊娠中や帝王切開の経験がある女性の場合、「リスクが高い」とみなされて加入ができなかったり、給付金を削減されたりするケースがあります。
定期型か終身型か
女性向け医療保険にも、一般的な医療保険と同様に、定期型と終身型があります。
一定期間のみを保障する定期型は、定期的に保障内容を見直したい人に適した保険です。一方、終身型は更新がないため、若いうちに加入すると比較的お手軽な保険料のまま、一生涯の保障を受けられるというメリットがあります。ただし、保障内容もそのまま変わりません。
女性向け医療保険でカバーすべき医療費はいくら?
女性向け医療保険への加入を検討する際には、いくらくらいをカバーできる保障を用意すべきなのかを考える必要があります。
自分が入院したことで、治療費などの支出増や収入減があったとしても、それをカバーできる十分な貯蓄や家族の収入があれば、手厚い保障を用意する必要性は高くないでしょう。しかし、そうでない場合は、不足分をカバーできる保険に加入しておく必要があります。
どのくらいの保障が必要なのかは、それぞれの家庭の貯蓄状況や月々の収支、家族構成などによって異なります。一般論で決めるのではなく、自分の家庭の場合についてシミュレーションした上で検討することが大切です。
万一の事態で必要になる額を検討する際に、考慮しておきたい医療費や支出などについてご説明します。
入院や治療にかかる医療費
入院や手術をすると、多額の医療費がかかります。ただし、通常の治療にかかる費用については、高額療養費制度を利用できるため、自己負担額は一定以下に抑えられます。高額療養費制度とは、公的な医療保険に加入している場合に利用できる制度で、医療費が1ヵ月(1日から末日まで)で上限額を超えた場合に、その超えた額が支給される制度です(限度額適用認定証などを提示した場合は、限度額を超える分の支払いは不要です)。
具体的な金額については、各人の年齢や所得などによって変わりますから、個別に確認しておきましょう。
ただし、入院したときの食事代、少人数の部屋や個室などを希望した場合の差額ベッド代や入院する際に必要なパジャマ代、家族のお見舞いにかかる交通費といった費用は、高額療養費制度の対象外となるため、別途用意する必要があります。
家事代行など、そのほかの支出
家事や育児を担っていた女性が病気やケガなどで対応できなくなり、家族が家事代行サービスを利用するなどした場合、通常よりも支出の増加が考えられます。また、外食が増えたり、シッターサービスや家族の介護サービスを利用したりすれば、それだけ支出がかさみます。
所得を得ていた場合の収入減
所得がある女性の場合は、休職による収入減が見込まれます。会社員であれば傷病手当金が受け取れる可能性が高いものの、不足分については保険や貯金でカバーする必要があるでしょう。
死亡保障は必要?
性別にかかわらず、生計を支えている人に対しては、十分な貯蓄がある場合を除き、死亡保障を確保しておいたほうがいいでしょう。女性向け医療保険とは別に、死亡保障のみの生命保険に加入して保障をカバーする方法もあります。貯蓄が少なく、万一の際の葬式代などに不安がある場合は検討してみるなど、保険の内容や保険料、保障期間などを総合的に考えて判断しましょう。
女性向け医療保険は女性特有の病気に手厚く備える保険
女性向け医療保険に加入することで、一般的な医療保険の保障に加えて女性特有の病気などにかかった場合の保障を手厚くすることができます。
入院や手術に備える保険は、女性向け医療保険や一般的な医療保険、がん保険などがあります。どの保険を選ぶべきなのかは、各人のリスクに対する考え方や、ライフステージによって変わってきます。それぞれの保険の特徴を知り、自分の希望に適した保障を受けられる保険を選びましょう。
保険の種類が多く、どれを選んだらいいのかわからない場合は、希望する保障や備えたいリスクについて検討した上で、FP(ファイナンシャルプランナー)や保険会社などに相談することをおすすめします。
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井戸美枝
CFP(R)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員。「難しいことでもわかりやすく」をモットーに数々の雑誌や新聞に連載を持つ。近著に『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP社)などがある。
※この記事は、ほけんの第一歩編集部が上記監修者のもと、制作したものです。
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
(登)C21N0026(2021.6.16)
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