がん保険の一時金はいくらあると安心?必要性や確認ポイントを解説


がんと診断されて治療が始まると、さまざまな経済的負担が大きくなります。
厚生労働省の「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、がん(悪性新生物)は日本人の死因の第1位となっているため、がんと診断されたら一時金が受け取れる、がん保険への加入を検討している人もいるのではないでしょうか。
ここでは、がん保険の一時金の必要性や金額の目安、がん保険の一時金に関する確認ポイントなどを解説します。
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
がん保険の一時金とは、がんと診断されたときに給付されるお金のこと
がん保険の一時金とは、医師によりがんと診断されたとき、まとまって給付されるお金のことで、診断給付金とも呼ばれます。
がん保険の一時金は、保険商品によって1回または複数回に分けて受け取れるタイプがあり、いずれもがんの治療費に充てるなど、経済的負担に備えることが可能です。なお、保険期間は有期型と終身型があり、終身型であれば、一時金を受け取る保障が一生涯続きます。
また、保険会社によっては、がん保険のほかに、3大疾病保険として、所定のがん、急性心筋梗塞・脳卒中による所定の状態を保障し、一時金が受け取れるタイプの商品もあります。
このほか、がん保険の一時金の特徴は以下のとおりです。
一時金で受け取れる金額を自分で設定できる
がん保険の一時金として受け取れる金額は、決められた範囲内であれば、自分で設定することができます。
決められた範囲は、解約返還金(解約返戻金)の有無や契約時の年齢など、保険会社やプランによってさまざまです。
一時金の使い道は自由
がん保険の一時金の使い道は自由で、基本的に制限はありません。がんの治療費だけでなく入院中の日用品代のほか、生活費に充てることも可能です。
なお、がん保険については、以下の記事をご参照ください。
がん保険の一時金が必要とされる理由
がん保険の一時金が特に必要とされる理由としては、がん治療での入院日数が短期化していることが挙げられます。
例えば、厚生労働省が発表したデータを比較すると、胃がん(胃の悪性新生物)患者の平均在院日数は「平成8年(1996)患者調査(確定数)の概況」では47.1日でしたが、「令和2年(2020)患者調査(確定数)の概況」では22.3日です。計算すると、24.8日も短期化しています。
入院日数に応じて給付される医療保険の場合、入院日数が短くなれば、自ずと入院給付金の支給総額も減少します。その点、一時金が受け取れるがん保険の場合は入院日数に左右されず、入院1日目からまとまったお金の確保が可能です。入院日数が短期化している現在のニーズに合致し、また、確実にまとまった金額を受け取りたい人にとって、がん保険による一時金は必要といえるでしょう。
がん保険の一時金の金額は、いくらあれば安心?
がん保険の一時金として必要な金額は、いくらあれば安心なのでしょうか。入院する場合の費用や、高額療養費制度の対象外となる費用など考慮してみましょう。
がんによる入院での自己負担額を考える
厚生労働省の「医療給付実態調査 / 報告書 令和4年度医療」によると、がん(悪性新生物)による入院の平均費用は75万4,694円です。ただし、公的医療保険制度により、自己負担が3割の場合は、約22万6,408円になります。さらに、高額療養費制度を利用することで、限度額を超えた金額については後日払い戻しを受けることも可能です。
例えば、年収が400万円の人が、がんによって月をまたがずに入院し75万円の治療費がかかり、窓口で22万円を払ったとします。この場合、高額療養費制度を申請すると、同月内の治療費であるため自己負担限度額は8万4,930円となり、13万5,070円が払い戻されます。
高額療養費制度の対象外の費用も考える
上記の例では約8万円の自己負担となりますが、高額療養費制度の適用は条件によって異なるほか、以下の項目は、高額療養費制度の対象外です。
<高額療養費制度の対象外となるもの>
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入院時の食事代の一部負担
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65歳以上の人が医療療養病床に入院する場合の食事代、居住費の一部負担
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差額ベッド代
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公的医療保険の対象外の特殊な治療費(先進医療の技術料など)
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入院時の衣類などの日用品、食費、見舞いに来る家族の交通費など
公的医療保険の対象外の特殊な治療費として、代表的なものに先進医療費(※)があります。
厚生労働省の「令和5年6月30日時点における先進医療Aに係る費用」によると、がん治療に用いられる「陽子線治療」の治療費は平均約266万円です。もし、先進医療費も考慮しておくのであれば、これらの費用も一時金の目安として計算します。
※先進医療について
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先進医療とは、研究・開発中の治療法や検査法のうち、将来的に公的医療保険を適用すべきかどうか検討段階にある厚生労働大臣が定める医療技術のことで、その対象となる疾病・症状(適応症)や実施医療機関は限定されています。
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先進医療の技術料は公的医療保険が適用されず、全額自己負担になります。また、高額療養費制度の対象にもなりません。
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先進医療の対象となる医療技術や実施医療機関は、随時追加・削除されています。
毎月の生活費を考える
がんで入院する場合、医療用ウィッグなど健康保険の適用外のものは全額自己負担となることや、治療中、働けないことによる収入減も考慮する必要があります。入院中でも、住宅費や公共料金の費用、家族がいる場合は生活費もかかるでしょう。
総務省統計局の「家計調査年報 令和5年(2023年)」によると、4人世帯(1人が就業者で、未成年の子ども2人)の1ヵ月の消費支出は平均で約30万円です。
このように、がんの治療でかかる費用のほかにも、毎月の生活費を考慮すると、人によっては1ヵ月に40万~50万円ほどかかる可能性があります。自分ががんで入院した場合を想定し、いくらあれば入院費用として足りて、生活が維持できるか考慮することが大切です。
一時金が受け取れるがん保険に加入したほうがよい人
がんに備えるため、特に以下に当てはまる人は、一時金が受け取れるがん保険を検討したほうがよいでしょう。どのような人が当てはまるのかを解説します。
入院により収入減になる可能性がある人
一時金が受け取れるがん保険に加入したほうがよいのは、がんに罹患して入院した場合、働けない期間が生じ、収入が減ってしまう可能性がある人です。
特に家族がいて自分が生計を担っている場合は、生活費の補填のために一時金が受け取れるがん保険を検討したほうがよいといえます。
がんの保障を充実させたい人
一時金が受け取れるがん保険に加入したほうがよいのは、がんの保障を充実させたい人です。
がんは治療にお金がかかります。がんに特化して、保障を充実させたい人は、一時金が受け取れるがん保険を検討してみましょう。
がん保険の一時金について確認しておきたいポイント
がん保険を選ぶ際、一時金についてどのような点を確認するのが良いのでしょうか。最後に、がん保険の一時金について確認しておきたいポイントを3つ解説します。
一時金の上限を確認する
がん保険の一時金について、受け取れる金額の上限を確認します。
がん保険の一時金は、商品やプランによって受け取れる金額の上限が設定されています。その上限内であれば、任意で金額を設定できる商品がほとんどです。必要となる金額は、先進医療の保障にも備えておきたい場合や、被保険者(保険がかけられている人)の家族構成、ライフステージによっても異なります。
一時金の目安となる金額を踏まえ、自分にどのくらいの保障が必要か検討したうえで、ニーズに合った金額を設定できるがん保険を選びましょう。
受け取れる回数を確認する
がん保険の一時金について、受け取れる回数も確認します。回数は商品によって異なり、初めて医師にがんと診断されたときに1回のみ受け取れるタイプと、複数回に分けて受け取れるタイプがあります。
複数回に分けて一時金が受け取れるタイプでも、2回目以降の給付には条件が設定されていることもあるため、必ず確認することが大切です。例えば、前回の受け取りから一定期間経過している場合や、2回目以降は診断ではなく、入院の場合のみ給付対象になるという保険商品もあります。
保障範囲を確認する
一時金を受け取れる条件として、保障範囲がどこまでなのか確認することが大切です。
がん保険の保障範囲は、大きく分けて悪性新生物(がん)のみ対象となるケースと、上皮内新生物も対象になるケースがあります。上皮内新生物であれば手術で取り除くことができる場合が多く、この段階で切除すれば、転移や再発の可能性は少ないといわれています。なお、上皮内新生物はそのまま放置しておくと、悪性新生物に進行してしまう可能性があるため注意が必要です。
ただし、上皮内新生物が、がん保険の保障範囲ではない場合、診断されても一時金を受け取れません。そのため、一時金が受け取れる保障範囲に、上皮内新生物と診断された場合も含まれているかどうか、確認しておきましょう。
入院日数が短期化しているからこそ、一時金で備えよう
がん保険の一時金は、医師によりがんと診断されたときに給付されるお金のことです。受け取れる金額は、保険会社やプランによって異なります。前述のとおり、がんの平均治療費や、毎月の生活費などを考慮すると、人によっては1ヵ月に40万円~50万円ほどのお金が必要になる場合もあるでしょう。
がん治療での入院日数が短期化している中、がん保険の一時金の必要性は高いといえます。
がんに備える手段として一時金があるがん保険を検討したいと思ったら、ぜひ保険会社やFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談することをおすすめします。
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辻󠄀田 陽子
FPサテライト株式会社所属。税理士事務所、金融機関での経験を経て、「好きなときに好きなことをする」ため房総半島へ移住。移住相談を受けるうちに、それぞれのライフイベントでのお金の不安や悩みがあることを知り、人々がより豊かで自由な人生を送る手助けがしたいと思いFP資格を取得、FPとして活動を始める。現在は地方で移住相談や空き家問題に取り組みながら、FPの目線からやりたいことをやる人々を応援中。
所有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種、日商簿記2級
※この記事はほけんの第一歩編集部が上記監修者のもと、制作したものです。
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
(登)C24N0139(2024.11.28)
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