逓減定期保険とは？メリットや注意点、収入保障保険との比較を解説

被保険者（保険がかけられている人）が亡くなったときのリスクに備える保険として死亡保険がありますが、保険の種類によって保障内容はさまざまです。逓減定期保険は死亡保険のひとつで、死亡保険金の額が次第に減少していく、つまり「逓減する」という特徴をもつ保険です。
ここでは、逓減定期保険の概要とメリット、注意点のほか、収入保障保険との違いについて解説します。

※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。

死亡保険金の額が次第に減少していく逓減定期保険

逓減定期保険とは掛け捨て型の死亡保険のひとつで、死亡保険金総額が次第に減少していくという特徴があります。支払われる死亡保険金の額は、契約直後に被保険者が死亡した場合が最も高く、保険期間終了までの残り期間が少ないほど、死亡保険金の額も少なくなります。
ただし、契約直後に亡くなった場合に受け取れる死亡保険金の額と、一般的な死亡保険で受け取れる死亡保険金の額が同額とすると、逓減定期保険のほうが一般的な死亡保険よりも保険料は安く設定されています。なお、解約した場合でも、解約返還金（解約返戻金）は支払われない商品がほとんどです。

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逓減定期保険と収入保障保険の違いは？

逓減定期保険と同じように、時間が経つにつれて死亡保険金額が減少する掛け捨て型の死亡保険には、収入保障保険があります。その意味では似たような保険ともいえますが、逓減定期保険と収入保障保険では、「死亡保険金の受け取り方」「死亡保険金に課税される税金」が異なります。それぞれについて詳しくご説明しましょう。

収入保障保険については、以下の記事をご参照ください。

収入保障保険とは？メリットとデメリット、必要性について解説

死亡保険金の受け取り方

逓減定期保険と収入保障保険の大きな違いは、死亡保険金の受け取り方です。被保険者が亡くなった場合、逓減定期保険は死亡保険金を一括で受け取り、年金のように毎月または毎年一定額を受け取る方法はありません。一方、収入保障保険は年金のように毎月または毎年一定額を受け取るか、一括で受け取るかを選べるような商品が一般的です。

死亡保険金に課税される税金

逓減定期保険と収入保障保険は、死亡保険金に課税される税金の種類が異なります。死亡保険は契約者、被保険者、受取人の関係性によっても、課税される税金の種類が異なりますが、契約者・被保険者が被相続人（相続される人）で、受取人が相続人（被相続人の遺産を相続する人）の場合、逓減定期保険で受け取れる死亡保険金は相続税の対象です。

一方、同様の条件の収入保障保険では、年金形式で受け取る場合、被保険者が亡くなって1年目と、その後に死亡保険金を受け取るときとで課税される税金の種類が異なります。被保険者が亡くなって1年目に受け取る死亡保険金は相続税の課税対象で、その後、毎月受け取る死亡保険金は雑所得の扱いとなり、所得税の課税対象です。
なお、死亡保険金を一括で受け取る場合は、相続税の課税対象となります。

※税務の取り扱いについては、2021年12月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、税理士や所轄の税務署等にご確認ください。

生命保険金の受取時に税金は課税される？税負担軽減のポイント

逓減定期保険のメリット

逓減定期保険は、時間が経つにつれて死亡保険金の額が減少するため、一般的な定期死亡保険に比べて保険料が抑えられるというメリットがあります。逓減定期保険のメリットについて、詳しくご紹介しましょう。

お手頃な保険料で手厚い保障を得られる

逓減定期保険のメリットのひとつは、お手頃な保険料で手厚い保障が得られることです。
逓減定期保険をはじめとする掛け捨て型の場合、貯蓄性のある生命保険に比べて、お手頃な保険料で手厚い保障を得られます。また、その中でも逓減定期保険は、時間が経つとともに受け取れる死亡保険金の額が減っていくため、保険期間満了まで受け取れる死亡保険金の額が変わらない定期保険に比べても保険料が安く設定されています。

ライフプランに合わせた設計がしやすい

世帯の収入を支える被保険者に万一のことがあった場合を考えて、子どもの教育費を保険金でまかなうなどの理由で保険に加入することもあるでしょう。ただ、必要な教育費の総額は、子どもが成長するにつれて少なくなっていく傾向にあります。
逓減定期保険は、そのようなライフプランに合わせて保険金額を合理的に設定するのに向いているといえるでしょう。

逓減定期保険の注意点

逓減定期保険には注意しておきたい点もあります。加入する前に知っておきたい、逓減定期保険の注意点をご紹介します。

解約返還金・満期保険金がない

逓減定期保険は、掛け捨て型の定期保険です。そのため、逓減定期保険のような掛け捨て型の定期保険のほとんどは、解約返還金が支払われることはほとんどありません。また、満期保険金もないということも理解した上で、検討するようにしましょう。

逓減割合を理解しておく

逓減定期保険の加入を検討する際には、逓減割合についても理解しておきましょう。逓減定期保険で受け取れる死亡保険金の額は、下がっていく割合が決まっています。加入後、数年経ってから死亡保険金の額が下がっていく商品もあれば、1年ごとに同じ割合で下がる商品もあります。死亡保険金を受け取ったときに、思っていたよりも少なかったという状況にならないよう、加入前に保険会社に相談するようにしましょう。

逓減定期保険に向いている人とは？

逓減定期保険は、時間が経つにつれて死亡保険金の額が減っていきますが、子どもの成長とともに必要な教育費の総額も減っていくため、一般的な死亡保険よりもお手頃な保険料で合理的に保障を得られることになります。また、死亡保険金は一括で受け取ることになるため、子どもが独立するまでの教育費などの支払いに使いたい場合に適しています。
なお、保障を毎月の生活費にあてたいと考えている場合は、収入保障保険が適しているでしょう。

逓減定期保険の特徴を理解して加入しよう

逓減定期保険は、掛け捨て型の死亡保険の中でもお手頃な保険料で手厚い保障が得られる保険です。時間が経つにつれて死亡保険金が減っていくため、その特徴をしっかり理解した上で加入する必要があります。
逓減定期保険に加入する際には、保障を受ける目的も明確にしておきましょう。逓減定期保険について詳しく知りたい方は、保険会社に相談してみてください。