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年金はいくらもらえる?受給額の計算方法と老後資金を準備する方法

生命保険の基礎知識
年金はいくらもらえる?受給額の計算方法と老後資金を準備する方法

※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。

老後の生活を支える年金は、加入する年金の種類や保険料を支払った期間、支払った金額といった要素によって、受給金額が変わります。中でも、国民年金などの公的年金が、将来いくらもらえるのか気になる人は多いでしょう。
ここでは、年金についての基本情報と、将来の年金受給額を確認する方法を紹介。併せて、老後に必要とされる資金の目安と、公的年金以外に老後資金を準備する方法についても解説します。

目次

年金には公的年金と私的年金がある

年金には、大きく「公的年金」と「私的年金」の2種類があります。
公的年金は、現役世代が支払った保険料を引退した高齢者などへの年金給付に充てるものです。私的年金は公的年金に上乗せして給付される年金制度を指します。

<主な年金の種類>

  • 公的年金:国民年金(老齢基礎年金)、厚生年金(老齢基礎年金+老齢厚生年金)、国民年金基金

  • 私的年金:個人年金保険、企業年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)

公的年金の老齢基礎年金とは、20歳以上60歳未満の国民全員が加入している国民年金のことです。老齢厚生年金とは、厚生年金保険から支払われる年金のことを指します。厚生年金の受給者は、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取れる仕組みになっています。

日本の年金制度は3階建て構造

現在、日本の年金制度は、以下の図のような「3階建て構造」になっています。

日本の年金制度は3階建て構造

※2023年2月現在

図の1・2階部分が公的年金です。1階部分が、加入が義務付けられている国民年金、2階部分は会社員や公務員が加入する厚生年金、自営業者などが任意で加入する国民年金基金などとなっています。
3階部分が私的年金で、加入は任意です。2・3階部分の年金は、職業などによって被保険者が異なり、加入できる年金の種類が変わります。

国民年金の被保険者は、以下の3種類です。

<国民年金の被保険者>

  • 第1号被保険者:自営業者や農林漁業、学生、無職の人など

  • 第2号被保険者:会社員と公務員

  • 第3号被保険者:第2号被保険者である会社員や公務員に扶養されている配偶者

公的年金について詳しくは日本年金機構のウェブサイトをご覧ください。
日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度

公的年金を受け取れるのは原則65歳から

公的年金を受け取れるのは、原則として保険料を支払った期間や加入者であった期間の合計である「受給資格期間」が10年以上ある、原則65歳になった人です。

60歳以上であれば、手続きをすることで繰上げ受給もできますが、その場合は受給できる金額が減額されます。反対に、年金の受取開始を後ろ倒しする繰下げ受給も可能で、その場合は受給できる金額が割り増しになります。

年金受給額の平均は?

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のによると、2021年度、会社員や公務員が加入する厚生年金(老齢基礎年金+老齢厚生年金)の平均受給額は月14万5,665円、自営業者等が加入する国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額は、受給資格期間が25年以上の場合で月5万6,479円でした。

<年金の平均受給額>

  • 厚生年金の平均受給額:月14万5,665円

  • 国民年金の平均受給額:月5万6,479円

ただし、これはあくまで平均額です。実際の受給額は、保険料を支払った期間や支払った金額によっても変わるので、自分の年金受給額がいくらなのかを正確に知るには、一人ひとりに届けられる「ねんきん定期便」を確認するのが確実です。
ねんきん定期便は、直近1年間の保険料納付状況が基本的にはがきで届きます(ただし、35歳、45歳、59歳といった節目の年には全期間の年金記録情報が封書で届きます)。これまでの年金加入期間や納付した保険料の累計額、加入実績に応じた年金額(50歳以上の人には老齢年金の見込額)が記載されています。

ねんきん定期便について詳しくは日本年金機構のウェブサイトをご覧ください。
日本年金機構「ねんきん定期便関係

年金受給額の計算方法

年金受給額の計算は複雑ですが、自分で計算することも可能です。国民年金(ここでは老齢基礎年金)と、厚生年金(ここでは老齢厚生年金)の計算方法をそれぞれご紹介します。

国民年金(老齢基礎年金)受給額の計算方法

国民年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受け取ることができます。
年金額が満額になるのは、20~60歳までの40年間の保険料を全期間満額支払った場合です。
なお、年金の額は賃金・物価の変動に応じて見直されるルールになっているため、満額は毎年変動します。例えば、2021年度は78万900円、2022年度は77万7,800円です。

未納付時期や保険料の減免を受けた時期がある場合は、以下の計算式で算出される額になります。

<老齢基礎年金の計算式>
老齢基礎年金の受給額(年)=満額(年)×(保険料納付済月数+免除月数×免除の割合に応じた分数)÷40年×12ヵ月

「免除の割合に応じた分数」は下記のとおりです。

■免除の割合に応じた分数

免除の割合

20093月分までの免除期間

20094月分以降の免除期間

全額免除

1/3

1/2

3/4免除

1/2

5/8

半額免除

2/3

3/4

1/4免除

5/6

7/8

老齢基礎年金について詳しくは日本年金機構のウェブサイトをご覧ください。
日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

厚生年金(老齢厚生年金)受給額の計算方法

厚生年金は、受給資格期間が10年以上ある場合、原則65歳から受け取ることができます。厚生年金の受給額は以下の計算式で算出します。

<老齢厚生年金の計算式>
老齢厚生年金の受給額(年)=報酬比例年金額+経過的加算額+加給年金額

「報酬比例金額」とは、以下の(A)と(B)を足し合わせたものです。

(A)2003年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×1,000分の7.125×2003年3月までの加入月数
(B)2003年4月以降の加入期間:平均標準報酬額×1,000分の5.481×2003年4月以降の加入月数

「経過的加算額」とは、特別支給の老齢厚生年金の「定額部分」の計算による金額から、厚生年金保険に加入していた期間のうち1961年(昭和36年)以降で20歳以上60歳未満の老齢基礎年金相当額を差し引いた金額のことです。
「加給年金額」は、被保険者期間が20年以上ある人で、その人に扶養されている一定条件を満たす配偶者または子どもがいる場合に上乗せされる分になります。

老齢厚生年金について詳しくは日本年金機構のウェブサイトをご覧ください。
日本年金機構「老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

老後に必要な生活資金は?

老後の生活資金としていくら必要かは、家族構成や生活スタイルによって変わるため、一概にいくらとはいえません。しかし、意識調査などの結果を参考にすることはできます。

公益社団法人生命保険文化センターが18~79歳の男女4,844人の回答を集計した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査《速報版》」によると、夫婦2人で老後生活を送るうえで必要と考えられている最低日常生活費は、平均で月23万2,000円。経済的にゆとりのある老後を送るためには最低日常生活費に加え、平均で月14万8,000円(合計月38万円)が必要とされています。

一方、厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金平均受給額は性別ごとに異なりました。厚生年金保険第1号で65歳以上の場合、男性が月16万9,006円、女性が10万9,261円です。国民年金の平均受給額は、男性が月5万9,013円、女性が月5万4,346円ですので、各パターンの平均受給額は以下のようになります。

■公的年金の平均受給額のパターンと必要生活費との差額

横にスライドしてください

働き方

加入する公的年金

公的年金受給額(月平均)

最低日常生活費(月平均232,000円)との差

ゆとりのある生活費(月平均38万円)との差

夫婦とも会社に勤務

共に厚生年金

27万8,267

169,006円+109,261円)

4万6,267

-10万1,733

夫が会社員、妻が専業主婦(または自営業)

夫:厚生年金

妻:国民年金

22万3,352

169,006円+54,346円)

-8,648円

-15万6,648

夫婦とも自営業

共に国民年金

11万3,359

59,013円+54,346円)

-11万8,641

-26万6,641

厚生労働省の「令和3年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命」によると、65歳の方の平均余命は、男性で19.85年、女性で24.73年です。
夫婦ともに厚生年金を受給できる方が、65歳からあと20年は生きると考えた場合、余裕のある生活をしたいならあと約2,441万円(10万1,733円×12ヵ月×20年)必要だと読み取れます。
夫婦ともに自営業で65歳から引退を考えているのであれば、少なくともあと2,847万円(11万8,641円×12ヵ月×20年)程は準備しておけると安心と考えられます。

公的年金以外に老後の資金を準備する方法

公的年金以外に老後の資金を準備する方法としては、投資利益を得ることや仕事を続けることが考えられますが、さまざまな私的年金を利用する道もあります。
続いては、私的年金の種類とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

個人年金保険

個人年金保険は、現役のうちにお金を積み立てておき、一定の年齢に達した後に、年金のように受け取れる私的年金です。個人年金は、主に「終身年金」「確定年金」「有期年金」の3種類あります。

終身年金は、被保険者が生存中は年金が受け取れる個人年金です。確定年金は、受取期間が10年、15年などと決まっていて、受取期間の途中で被保険者が亡くなっても相続人が年金相当額を受け取ることができます。有期年金の場合、受取期間が10年、15年などと決まっていますが、受取期間の途中で被保険者が死亡した場合はそこで終了する個人年金です。

<個人年金のメリット>

  • 貯蓄が苦手でも将来の生活資金を計画的に準備できる

  • 払い込んだ保険料は、一定の条件を満たす場合、個人年金保険料控除の対象となる

<個人年金のデメリット>

  • あらかじめ受け取れる年金の額は決まっているので、インフレに弱い

  • 解約すると、多くの場合受け取る年金の総額が支払った保険料を下回る

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、個人型確定拠出年金と呼ばれる私的年金の制度です。加入は任意で、自分で決めた額を毎月積み立てて運用し、60歳以降に年金として、元本と運用益を受け取ります。働き方によって、ひと月の拠出限度額が変わります。

<iDeCoのメリット>

  • 掛金として拠出した金額が全額所得控除の対象になる

  • 運用益が非課税で再投資できる

  • 受取時には、受取方法にかかわらず一定金額まで非課税になる

<iDeCoのデメリット>

  • 60歳になるまで原則引き出せない

  • 条件によっては加入できない

つみたてNISA

つみたてNISAとは、国が進める長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度のことです。
1人1口座のみ開くことができ、年間40万円の投資枠内での売買であれば、投資から得られる分配金や譲渡益が非課税となります。非課税期間は最長20年間です。投資対象は一定の投資信託に限られています。

<つみたてNISAのメリット>

  • 20年と長期間にわたって分配金・譲渡益が非課税

  • 少額から始められる

<つみたてNISAのデメリット>

  • 一般NISAと比べて選べる商品が少ない

  • 損失が発生してもほかの口座と損益通算ができない(2023年1月現在)

なお、2024年1月より、つみたてNISAは一般NISAと併せて制度改正がされる予定です。新NISA制度として、つみたてNISAは「つみたて投資枠」となり、年間投資上限額が120万円まで引き上げられるほか、「成長投資枠」と名称が変わる一般NISAとの併用が可能になります。また、非課税期間に制限がなくなるといったメリットも拡充される予定です。

財形貯蓄制度

財形貯蓄制度とは、企業が福利厚生の一環として設けている場合がある制度で、給与やボーナスから一定金額を引き去り、積み立てるものです。
契約期間や契約時の年齢、目的により、「勤労者財産形成貯蓄(一般財形貯蓄)」「勤労者財産形成年金貯蓄(財形年金貯蓄)」「勤労者財産形成住宅貯蓄(財形住宅貯蓄)」の3つに分かれています。

<財形貯蓄制度のメリット>

  • 給与から天引きされるので、確実に貯められる

  • 財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は元本合計550万円までの利子等が非課税になる(目的外の払出しが行われた場合は、5年間遡及して課税される)

<財形貯蓄制度のデメリット>

  • 会社に制度がなければ利用できない

  • 低金利では投資に比べて財産が増えにくい

定期預金

定期預金とは、銀行などの金融機関に預入期間を決めて利用する預金で、満期日に金利を加えて受け取ることができます。預入期間は金融機関によって異なります。
定期預金には、主に「固定金利型」と「変動金利型」の2種類があります。

<定期預金のメリット>

  • 普通預金と比べて金利が高め

  • 元本割れがない

<定期預金のデメリット>

  • 低金利では投資に比べて預金が増えにくい

個人年金保険で老後資金を計画的に準備しよう

老後の主な生活費となる公的年金は、加入している年金の種類や保険料を支払った期間、支払った金額などによって、受取金額は変わります。詳細は日本年金機構の「ねんきん定期便」に記載されているので、しっかりチェックしておきましょう。
年金だけでは老後の生活費が不十分と思われる場合は、個人年金保険やiDeCoといった私的年金の商品や制度を活用して、老後の資金を準備するのがおすすめです。それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切になります。

個人年金保険に申し込みたいけれどどれを選べばいいのかわからない、そもそもどの方法を選んだらいいのかわからないといった場合、まずは保険会社やFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談してみるのがおすすめです。相談することで、どのようなリスクに備えたいのか、どれぐらいの保障が必要かなども明確になります。保険選びに迷ったら、ぜひ一度相談してみてください。

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監修

森島静香
FPサテライト株式会社所属。京都出身、大阪在住。人材紹介会社勤務。キャリアカウンセラーとして顧客の転職活動を支援中。中立の立場で顧客の相談にのる中で、お金に関するより専門的な知識を身につけたいと考え、FP資格を取得。プライベートでも2児の母として、育児を経験しており、顧客目線でわかりやすい情報を届けるFPを心掛けている。
所有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、TOEIC 925点

※この記事はほけんの第一歩編集部が上記監修者のもと、制作したものです。
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
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※税務の取り扱いについては、2023年2月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、税理士や所轄の税務署等にご確認ください。

(登)C23N0179(2023.11.20)

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